【集患・SEO・自費・採用】失敗しない歯科医院ホームページの作り方

歯科医院はコンビニよりも多い」と聞きます。

日本歯科医師会と日本フランチャイズチェーン協会のサイトを見ると
・歯科医院は約68,940軒(2016年12月)
・コンビニは約55,782軒(2020年6月)
だそうです。

歯科医師の数も年々増加しており、2012年には10万人の大台を突破、「歯科の看板を出せば儲かる」はすでに過去の話で、競争は熾烈化の一途、せっかく開業しても地域の競合に破れ、閉院する歯科も多いと聞きます。

競争が激しい為か、近頃はWebマーケティングや接遇に力を入れている歯科医院さんが多いような実感があります。

歯科医院HPの目的は「集患・採用」に尽きる

個人での情報収集は、ほぼインターネットによるといって過言ではない時代です。

もしホームページをお持ちでない歯科医院さんは、ブログやツイッター等の無料ツールで良いので「まずはネット上に何らかを発信してみる」ことをおすすめします。スタッフさんにインスタグラムを任せるのでも良いです。

「今さらもう遅いのでは」と思われても、絶対にやったほうが良いです。なぜなら、ネット上に公式発信の情報が無いと、知らない人からすれば「世の中に存在していない」のと同じですし、後発でも巻き返しが可能なのがホームページ制作やSNSをはじめとした「Webマーケティング」の特徴の1つだからです。

すでにHP持っていたとしても、何年も放置されていたり、名刺代わりの情報しかないものでは、新患を得るのはなかなか難しいと思います。

さらに、放置されたホームページでは、患者様どころか歯科衛生士の採用もうまくいかない可能性があります。
近年の求職者はグッピーやインディードなどの求人HPで探すことがほとんどです。
そのため、ホームページの有無・質の良し悪しで応募先を選ばれてしまう現実があります。

ホームページの活用がいまひとつの歯科医院さんのために「集患や求人がうまくできる歯科医院ホームページ」とはどのようなものか、いくつかの例をご紹介します。

HPで新患を獲得するための工夫

診療時間と休診日は一目瞭然か

HPで歯科を探す方は「虫歯が痛い」など、すでに緊急事態に陥っている場合が多く、電話を掛ける行動の前に休診日が伝わるようなHPにしなければなりません。
せっかく治療が信頼できそうなのに「電話をかけてみたら休みだった」では他の歯科医院に行かれてしまいます。
かける前に休みと分かれば、痛みを我慢して診療日を待って下さるかもしれません。
サイト下部の付近など固定の場所を決め、ページ全てに設置することが望ましいです。

電話番号もわかりやすく掲示されているか?

診療時間と同じくらい大切な情報が電話番号です。これもページの全てに設置されると良いでしょう。
スマートフォンユーザは「電話番号をメモして、自分でダイヤル」しないため、大きな電話番号ボタンをタップするとすぐに電話がかけられるような作りにしましょう。

空いている時間帯を表記する

銀行などでよく見る、曜日ごとの混雑度を○△Xで3段階表記すると良いです。
残念ながら多くの方が「病院=待たされる」と思っていますので、少しでも待ち時間を減らしたいと考えるのは自然なことです。
また、この小さな工夫が「混雑時の予約が減り、空いている時間に増える」という素晴らしい循環を生みだすきっかけにもなります。

自費治療の料金を明記する

自費治療を検討される患者様は、医院によって価格差があることを良くご存知です。
HPに自費金額の掲載がないと「受診時に聞いてみて予算とあわなかったら嫌だな」という感情が働いてしまいます。
また、体質的にメタルフリーを必要とされる方のために、扱っている素材を紹介しましょう。
セラミックの詰め物がいくら、などの箇条書きで大丈夫です。

自費はカード払いが出来るのであればその旨もHPに加えると良いでしょう。自費治療は高額なのでクレジットカードのポイントがたくさん貰えます。
デンタルローンや医療費控除の案内もあれば良いかもしれません。

専門医・認定医

専門医で歯科HPを検索される方は意外と多いです。
弊社のお客様の先生に、Google Analytics(グーグルアナリティクス)で測った専門医紹介のページのPV数を伝えたところ「そんなに多くの方が見ているのか」と驚かれたことがあります。
「この治療が得意」であることと同義ですので、先生のプロフィールページ作成しましょう。セミナーや勉強会の参加履歴を書くのも良いです。「常に最新の医療技術を学んでいる」ことをお知らせしましょう。
なお、科目でいうと特に歯周病専門医・小児歯科専門医はHPに掲載すると閲覧数が伸びる傾向にあります。

校医

まさに地域医療の信頼の証です。
「xx小学校 校医」とだけ書くのではなく、歯科検診や歯ブラシ指導などのレポート記事を書かれると良いでしょう。
それをご覧になったご家族の来院にも繋がります。

女性歯科医師の在籍をHPで伝える

「女医在籍」はとても大きな売りになります。
「医師とはいえ男性に口腔内を見られるのは恥ずかしい」という女性の患者様は多いです。女性の歯科医師がいらっしゃれば、プロフィールと得意な治療科目などを書かれると良いです。
審美的な治療の相談も女性医師のほうがしやすくなるため、自費治療にも繋がります。
女性医師がいない場合でも、DHやTCによる女性に向けての定期クリーニングや、ホワイトニングをすすめるページを作成しましょう。
とにかく「女性スタッフに治療の相談ができる」ことを伝えるのが大切です。

掲載写真はHP撮影に慣れたプロのカメラマンに依頼する

HPは写真がすべて、とまでは言いませんが、見た目の華やかさに大きく影響するのが「写真」です。
花の風景や幾何学模様などの素材写真が主な歯科HPでは、とにかくすべてが伝わりづらいです。
いまはスマホで簡単に写真が撮影できる時代ではありますが、ここはぜひプロのカメラマンに依頼しましょう。
ただし、ホームページ向けの撮影知識を有したカメラマンさんに限ります。他とは異なる撮影テクニックがあるためです。
弊社で普段お願いしている腕のよいカメラマンさんをご紹介することも可能です。
(撮影費:5万円〜・東京都からの交通費は実費、全国対応。愛知県から依頼された先生もいらっしゃいます。)

HP経由での新患獲得コストを考える

私が以前に参加した某大手コンサル会社の歯科セミナーでは「新患1名につき、1万円前後の広告費をかける価値がある」という話でした。
まずは予防で来院して頂き、その後の定期検診や自費治療につなげましょう、という考え方です。

ここで大切なのは「新患を得るのに1万円使う」のではなくて、自院の状況に応じて「インターネット広告費に月いくら使えるのか」を設定することです。
大まかな月の新患数と、継続患者数とその医業収入を一覧にすれば、ある程度の計算は立つはずです。

現状、とくにインターネット広告を行っていない歯科医院さんは、ホームページを立ち上げたりリスティング広告を導入してみるなど、インターネットを活用した広告を行うことをおすすめします。
Google広告(旧 アドワーズ)などのリスティング広告は、ご自身で広告費を設定できるので、はじめは月に5,000円〜10,000円くらいを上限にする設定で試すのがよいでしょう。

ただ「インプラント」や「矯正」などの自費科目名だと、1クリック1,500円以上、地域によっては3,000円前後かかることもあるため、単価の安いキーワードを探してたくさん設定するほうが安全に運用できると思います。
リスティング広告は、地域差・競合・時期などで、反応が鈍い場合もありますので、様子をみながら実施しましょう。

HP経由での新患数はどうやって測るか?

実践されている歯科医院さんは多いと思いますが、初診向けの問診票に「どのようにして当院を知りましたか?」の項目を入れるだけでOKです。
実数を測るのは難しいため目安にしかなりませんが、なにも無いよりは広告を計画しやすくなります。

歯科ホームページでの求人対策は?

近頃は、大手企業に倣って「求人専門サイト」を立ち上げる歯科医院さんが多いです。
訴求力は抜群ですが制作に50万円〜100万円程度はかかります。
予算をかけずに手軽に対策するなら、下記のような既存ページの修正がおすすめです。

集合写真を掲載する

求職者からしたら、同僚になるかもしれない方々ですから、この医院にどんな人がいるのか気になるところです。
特に歯科医院は、若い女性が中心層になる傾向が高く、気になる歯科医院があれば「採用されたらどんなかなあ」と想像するのは自然なことです。

院長、スタッフさんの紹介ページをつくる

・氏名(ニックネームも可)
・出身校(大切!)
・趣味や特技など
・血液型
・患者様へひとこと

などで十分と思います。
人は共通点があれば親しみを感じますので、簡単なもので大丈夫です。
特に出身校のつながりが大きい歯科業界ですので、同じ衛生士学校の先輩がいると、求職者には心強く感じるはずです。

スタッフさんの本名と個別の顔写真を掲載するのは、実はあまりおすすめできません。
掲載に同意が得られない場合があるのと、まれにHPを見た患者様からSNSを特定されるなどの嫌がらせ受けることがありますので、注意が必要です。
そのため、集合写真のように、顔と名前が対にならない状態で掲載するのが良いです。

ブログはどうする?

ブログはクリニックの雰囲気を伝える良い方法です。スタッフさん持ち回りで書いている医院さんも多いようです。

ただ、スタッフさんが自発的に書くものであればよいのですが、週1で必ず書くようなルールを強いてしまうと、スタッフさんの負担となり、「書けばいいんでしょ」と言わんばかりの質の低い記事ばかりが増える可能性があります。
また、グーグルの検索エンジンは「本業と関係のない記事がサイト内にたくさんあると、検索順位を低下させる」傾向があるため、ちゃんと書いた記事であっても、食事会やお出かけネタが多いと逆にデメリットにも成り得ます。(あくまでSEOの見地で、の話です)

LINEやインスタグラムなどのSNSは?

LINEは求職者からの連絡手段として有効な場合があります。
HPにLINEのロゴを設置して、それをタップすれば友だち追加の画面に飛ばすような設定をすれば良いでしょう。
インスタグラムは、院内イベントが多い医院さんや、写真投稿が得意なスタッフさんがいれば、任せてみるのも良いかもしれません。

新たにHPを作るなら、レスポンシブ化(スマホ対策)は行ったほうがいい?

スマホ対応は「必須」とお考えください。
2017年にスマホ閲覧数がPC閲覧数を逆転し、弊社の歯科のお客様の閲覧データを見ると、約70%(2020年7月)がスマホからの閲覧です。
この数値は今後もっと開くのは確実です。

歯科医院HPのSEO対策

まさに熾烈の一言につきます。生半可な対策では、歯科関連キーワードでの上位掲載は不可能に近いです。
「地域名 + 歯科」で上位表示されても、Googleの検索順位は変動が激しいために、維持することは大変難しいです。

なお、誤解を恐れずに申し上げますが、実は弊社ではSEO対策はそこまで気にしていません。
なぜならHPの目的は「集患・採用」であり、検索順位を高めることでは無いからです。

「SEO対策」とは、多少強引な手を使ってでも、Googleの検索エンジンに好かれるように寄せてサイトを作ってしまおうという側面があるため、あまりSEOを意識しすぎると、人間からみれば使いづらいものになってしまうことがあります。

たとえば、地域名や科目名を文章内にたくさん散りばめすぎて不自然になってしまったり、無駄にページ分割させてサイトボリュームを多く見せかけた結果、ページ遷移が複雑化して見るのに疲れる、などです。
「なんか商売っ気が強いな」と思われることさえあり、まさに本末転倒です。

私たちは検索順位に右往左往せず「HPを訪れた方に有用な情報を載せる」ことを優先しています。このコラムもその目的です。
検索順位が上がれば新患も増えやすくなることは否定しませんが、検索の機械相手でなくあくまで患者様と向き合ってHPをつくることが、集患の近道であると私たちは考えています。

患者様の声や施術例はどうする?医療広告ガイドラインについて

ここ数年で大きな話題となった「医療広告ガイドライン」ですが、ルール的なものは周知されているものの、それに反した場合の罰則がないため、極めてグレーな印象があります。(弊社の意見です)
ただ、厚労省などからのペナルティはなくとも、地域の歯科医師会などから連絡が入ったり、患者様から指摘を受ける場合もありますので、ガイドラインには極力従ったほうがよいと思います。

また、リスティング広告を行う場合には、
・患者さまの感想
・インプラントなど自費治療の施術例
などがHP内に掲載されていると、審査で落とされるのがほとんどですので、どうしても施術例を掲載したい場合は、メインサイトとは別のものを立ち上げて、そちらに載せると良いと思います。

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